第1話 異端審問官

あとで追記したり、検索しやすいように、1ブログ1テーマにしました。

学究レベルではなく、表面をなめるように扱います。

私の知識が不足するからです・・・苦笑

 

【異端審問官】

第1話の頃、つまり、1170年の頃は、まだ異端審問官が大々的に活躍していない頃です。以下の本などを参考にしています。のちに、異端審問がおかしくなって、狂気としか言えなくなるのですが、中心となっていくのが、修道会のドミニコ会です。教皇から認可されて、異端審問を行っていくのです。

ドミニコという人は、フランシスコと同じ時期に修道会を教皇より認可されます。

第1話の頃は、まだ存在していませんから、文中の審問官は、もちろんドミニコ会と関係ありません。フランシスコ会は、西洋文化の中核をなすといっていいでしょう。創始者フランシスコが亡くなった時に、過激な人たちと。穏健な人たちの間で、会の方針を巡って争いが起きます。結局教皇の希望した穏健派が主流となり、過激な人たちは、異端として処刑されます。異端追及をしたのが、ドミニコ会士たちでした。

異端審問 (講談社現代新書)
 

 

正統と異端 - ヨーロッパ精神の底流 (中公文庫)

正統と異端 - ヨーロッパ精神の底流 (中公文庫)

  • 作者:堀米 庸三
  • 発売日: 2013/04/23
  • メディア: 文庫
 

ヨーロッパ史の重鎮、堀米先生の本です。 

中世の異端者たち (世界史リブレット)

中世の異端者たち (世界史リブレット)

  • 作者:甚野 尚志
  • 発売日: 1996/07/01
  • メディア: 単行本
 

 

異端とされて、破門されると、社会的に保護がなくなります。

人間ではないから、殺されても文句が言えない状態です。

特に信徒の交わりから排除されますから、誰も助けてくれなくなるのです。

 

異端の最後は火刑です。教会が主催しません。

領主などに引き渡されます。

財産は没収です。

 

異端審問官たちの中には、この財産目当ての人たちもいたそうです。

異端審問は、人類史の汚点であるし、教会の汚点だと感じています。

 

ただ、やりたいようにやられただけではなく、

街はずれで、殺される審問官もいたそうです。

 

ご興味のある方は、上記の本でも読んでみてください。

 

【十字軍について】

十字軍というと、エルサレムというか、あのあたりへの遠征というイメージがありますが、アルビジョワ十字軍など、異端討伐でヨーロッパ各所への派遣というものもあります。エルサレム十字軍は1095年ですが、アルビジョワは1209年です。

 

小説では、1000年以降に二つの世界に分かれてしまっていますので、主人公のいる世界では、エルサレム十字軍はそもそも存在しません。

中近東は存在すらわからない状態になっています。

 

一方、ドミニク神父様の世界では、第2回十字軍までは経験しています。

ドミニクのいる修道会には、十字軍へ参加した人が出ています。

1147年ごろが2回なので、当時二十歳だったとしても、小説内の設定1170年となると20数年前です。

 

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